ダーリン / 須田景凪
今回はリクエストから歌わせて頂きました。
最初、須田景凪さんがこの楽曲を投稿された際には、すごく素敵な曲で早速カバーしようかと思ったのですが、本家様の歌唱で完成されていて歌うのをやめていた曲でした。
今となってはリクエストで歌う機会を与えて頂けて嬉しく思っています。
背中を押してくれてありがとう。
■録音時に意識したこと
前提として
*時間が許す限り本家様を聴き込みました。
*録音前に他の歌ってみたを20作品以上漁りました。
*大手の方の簡単な声真似でワンコーラスを何本か作りました。
その上で、今回は自分にしか出せない味を追求しました。
①1番Aメロ
本家様は基本的にAメロはハモリが殆どなく、サビ前にオク上裏声が強く入ってるような、シンプル且つオシャレな作りになっていました。
MIX面として、ボーカルがしっかり映える生音が強調された音作りでした。
上記、『他の歌ってみた作品』も、大体は本家様に合わせられた作りでしたが、何名は自分なりのコーラスやハモリを追加しているような感じでした。
最近の僕の歌ってみたは『誰かを参考にハモリを作成』するような場面が多く、今回は大体の方が本家様参考って感じだったので、かなり悩みました。
『大手声真似』の際、メガテラさん風や、めいちゃん風、まふまふさん風を作り、そのお三方の全員のいいとこ取りしたような作りに今回はしました。
最初の部分に『加工感』を入れてる人がいない中、ハモリもなくて正直「みんな一緒…」と思ったので、MIXで加工感を混ぜ込み、抑揚も抑えて歌いました。
加工が外れてから抑揚を付け、全体に上ハモ3度を凄く小さく入れました。
サビ前は本家様参考に、オク上裏声に+オク下を混ぜ、最近の流行りっぽくしました。
「私だけ」で全てのハモリを失くし、リバーブも切って、しっかりサビ前の空間(ブレス)を目立たせるようにしました。
②1番サビ
こちらもかなり歌い回しに悩みました。
・全体的にクリーンで抑揚強め(本家様意識)。
・がなりを多用して迫力増し増し。
・強い発声と強いコーラスで表現増し増し(メガテラさん参考)。
これら上記で迷ったのですが、今回は本家様×メガテラさんで歌うことにしました。
具体的に、本家様の感情クリーンボイスで歌いつつ、時折がなりや擦れた声を入れるような作りです(歌い回しであって声真似ではありません)。
■サビ分解
「ダーリン全部あなたにあげる」
・上ハモ+下ハモ+オク下+地声コーラス+裏声コーラス
「お気持ちはたんと愛で頂戴」
・裏声オク上+下ハモ+オク下+高音コーラス+裏声コーラス
「ダーリンいつか認めておくれ」
・上ハモ+下ハモ+オク下+地声コーラス+裏声コーラス
「その日が来るのを」
・裏声オク上+下ハモ+オク下+高音コーラス+裏声コーラス
「待っているわ」
・上ハモ
「ダーリン」
・裏声上ハモ
③2番Aメロ
こちらも皆さん本家様参考に歌っている方が多かったので、わざと抑揚を強く付け、かなり小さく左側にオク下を挿入しました。
皆さん同じ場所で止める場所も、敢えて伸ばして加工を付けました。
個人的にそっちの方が『場面転換』及び『動画に合う』と思ったからです。
④2番Aメロ’
2番では歌い終わりにサビではなく、フェードするパートに繋がるので一工夫入れたいと考えました。
取り合えず1番と歌い回しは変えて、本家通りの主旋メロをなぞってます。
ハモリは上ハモではなく下ハモを全体に入れました。
Aメロから徐々に上がってく感じを演出させたかったからです。
サビ前「私じゃダメですか?」
主旋メロ(原キー)をディストーションで曇らせて、オク上に女声でダブラーインサートで強調して聞こえるようにしました。
⑤ラスサビ(転調)
転調後に更に感情爆発!って感じにしたくて、更に声を掠らせました。
簡単に言えば『勢い付けて歌ったよ』ってニュアンスで大丈夫です。
ハモリ等の構成は基本的に1番サビと同じですが、転調前の「待っているわ」だけ『オク上をカットして』挿入しました。
最後の「ダーリン」もわざとオク下を2本録ってパン振り(ダブリング)してます。
■何故こんな作りにしたのか
ここからは僕の楽曲の解釈なのですが、『一人称が私』なこととシンプルに『ダーリン』と歌っていることから、主人公は女性である、と意識しました。
その為、1番サビ最後「ダーリン」に裏声上ハモ、ラスサビ前「私じゃダメですか?」にオク上女声を挿入させて頂きました。
ただ、PVに映ってるのって『須田景凪さん』ですよね。
「今回はボカロ曲じゃないしPVなんだから」と言われる方も多いと思うのですが、それだけの理由だったら、アボガド6さんも『もっと本人に寄せた人物』を描かれてもよかったのでは?と思ったんですよね。
なのに、PVのイラストは、中性的に髪の長い青少年なんですよね。
且つ、最初に露骨に映し出される白い花、そして印象的に映る派手な色の薬ですよね。
ここから僕の考察、というより「そう言う楽曲だったら嬉しいな」という考えになってしまうのですが、『性同一性で、心は男性(身体は女性)の方が、女性に恋をしたが失恋する楽曲』ではないかと考察に至りました。
という個人的解釈を踏まえ、本来本家様にはない『オク下』や、逆に女性らしさが垣間見える『オク上』『女声』等、様々な声色を散りばめさせることにしました。
最初は『女々しい男性の話』程度に思っていたのですが、何回も聞いていく内に脳が勝手に深読みし出し、「歌としてもそっちの方が鮮やかになる」と言ったくらいの後付けみたいな考え方なので、皆さんはあまり考え込まず楽しんで歌ってくださいw
僕の拘り、意識としてはこんな感じでした!
生歌や弾き語りでは、また違った歌い方で楽しみたいと思います!
改めて、素敵な楽曲をありがとうございました!
0コメント